イクジウッド株式会社

2022/01/27 12:29

 

イクジウッド株式会社は1925年に鉄道用枕木商「足立幾治商店」として創業し、今年で創業96年を迎える製材所です。1959 年に建築材の販売に合わせて製材所を開設し、製材業を中心に丹波の木材を使った住宅、ウッドデッキなどの設計施工をしています。

 

イクジウッド株式会社がある兵庫県丹波市は、山々に囲まれ自然豊かな地方です。弊社では林業家の方々が大事に育て、山から搬出された原木を市場で買い受け、ご注文に応じ11本自社製材し、お客様に納材しております。


 

一人膳「八寸」をはじめとする当社製品は、端材を使用しているのではなく、原木から仕入れ、数年かけて自然乾燥し、一点ずつ、丁寧に製品に仕上げています。

木の種類や特長を熟知した、製材所ならではの感性で「手を加えすぎないこと」「あるがままであること」「野趣を活かすこと」この三つを基本に、野趣あふれる品々を製作しております。

 

全製品の、一番の特徴はガラスコーティング。一般的にはオイルコーティングやウレタン塗装が多いですが、どうしても木そのものの質感、触感が失われやすいです。ただ、木によってはガラスコーティング剤が浸透し過ぎてそれこそガラスのような質感になってしまったり、粉がふいたように見えてしまったりと、木種によって、使う部分によって特徴が千差万別。

 


原木から木を選び、原木のどの部分をどう使うかを考え、

一点ずつ最適なコーティングを施し、木の持つ自然の風合いをそのままに加工できるのです。

 

20206月から販売を開始しました、一人膳「八寸」その名前とコンセプトは、日本料理の献立のひとつで海の幸・山の幸を数種類盛り付けた酒肴「八寸」から着想を得ました。そもそも八寸とは、八寸角、つまり約24センチ四方の杉のへぎ木地の角盆のことを指していましたが、やがてそれに盛られる酒肴を意味するようになり、日本料理の献立のひとつとして定着したようです。一人膳「八寸」は、八寸サイズにこだわらず、料理、酒肴、スイーツなどを盛り付けて、ふだんの食卓をほんの少し特別なものにする。そんなシーンの演出、創出を思い描いています。

 


親しい友人が遊びにくる時にカラフルな野菜がよく映える欅(ケヤキ)の木をつかってちょっぴり優雅なランチ会を演出してみたり。自分だけの落ち着いた時間が欲しい時に木表の縮み杢(ちぢみもく)が美しい栗(クリ)の木をつかって夕涼みの晩酌を演出してみたり。 木からただよう野趣を感じとって、木が元々生えていた時を思い浮かべ、まるで山の、自然の中に居るような感覚。我々が普段行っている逆の工程から木を感じ、木と共に暮らす感覚を是非皆様にも感じていただきたい。

 

創業からおよそ100年、木材市場を見続けるなかで、木材の価値は様々な需要に翻弄されながら大きく変わりました。それでも、木のもつ自然の風合いは、暮らしに豊かさをもたらし、その価値は決して変わらない。そう思い、何気ない毎日をちょっとゆたかで素敵にする木のある暮らしを、発信していくことにしました。

木の成長と同じように、どうぞ末永くお付き合いいただければ幸いです。